海外赴任と預貯金や手数料、家計に関しての考え方

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海外赴任を前提に預貯金の話し、あるいは家計に関しての全般の話し


このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます

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頂いたご質問(2018年6月、SUさま、30代・女性)

今回3,4年海外で働く事になり、日本の口座から海外の口座への手数料の少ない送金方法を調べていたところ、定期預金の鬼のサイトにたどり着きました。

今まで自分の資産管理や運用等について不勉強で、かなり損な預金をしていたと反省しました。ありがとうございます。質問に先立ち、私の現状をお伝えいたします。

<預入先>
ゆうちょ銀行定期預金:400万円
・ゆうちょ銀行普通預金:100万円
・みずほ銀行普通預金:1000万円
三井住友信託銀行:300万円

<住宅ローン>
・三井住友信託銀行
変動金利(金利:0.775%(5年)、1.775%(6年目以降))
H25年に加入し、月9万円くらいの支出→あと30年くらい

<生命保険>
・ジブラルタ生命
終身保険、外資
H21年に加入し、月5万円くらいの支出→あと1年強


海外赴任と家計


夫と子供3人とで暮らしており、夫の現状(貯金、住宅ローン、生命保険料、資産運用に関する知識等)は、私と同等か1-2割増しくらいです。

外資の終身保険は、私と夫が二人とも一度に死亡したときの子供たちのために、今後も継続しようと思っています。当サイト等を拝見後、下記のようなプランを検討しています。


1. ゆうちょ定期預金を解約し、海外赴任中の生命保険料と住宅ローンの支払いに充てる
2. SBJ銀行開設
3. 住信SBIネット銀行開設
4. マネーパートナーズ開設
5. 海外赴任先の口座開設
6. みずほ銀行から

 ① 300万円→SBJ銀行定期預金へ
 ② 200万円→マネーパートナーズ経由で海外の口座へ
 ③ 200万円→住信SBIネット銀行へ
7. 海外赴任中の収入の送金先は、5.で開設した海外の口座を指定する
8. マネーフォワード等を利用して資産管理を行う



今回ご質問したい事項は、上記プランの6~8についてです。

6.今までは、「最初に働いたところが給与の振込先に指定していたから」という理由で、みずほ銀行をメインバンクにしていました。しかしながら振込手数料などを考えると、今後は住信SBIネット銀行などをメインバンクにした方がよいのか、と悩んでいます。

もう少し住信SBIネット銀行にお金を移動させ、必要時にはそこから引き出すようにしたほうがよいでしょうか? また、数年間、国内でお金を引き出す事はないと思いますが、もう少し定期預金にいれておいた方がよいでしょうか。その際、SBJ銀行定期預金の金額を増やすか、別の銀行(例えば住信SBIネット銀行等)に分けて定期預金 したほうが良いか、どうでしょうか?

7.海外赴任中の収入は、日本国内の財団から3カ月毎に送金される予定です。送金先の口座は、5.で開設した海外の口座に直接送金してもらおうと思っていました。

しかしながら、送金手数料を考えると、振込先を国内の口座に指定し、マネーパートナーズ等のFX口座を経由して自分で移動させた方がよいような気がしていますが、どうでしょうか?また、管理人さんはDMMFXを利用されていると伺いました。マネーパートナーズは住信ネット銀行もカバーされているようなのでよいかとも思ったのですが、考えが甘いでしょうか?

8.私は資産を増やしたいという気持ちはありますが、資産運用に関しては全くの素人です。仕事と家族にほとんどの時間をつぎ込んでいる ため、資産管理にも不安があります。

マネーフォワード等の家計簿アプリは、金融機関と連動させて管理できるので便利かと思ったのですが、反面、自分の個人情報が他に漏れないか不安で、使用を躊躇しています。管理人さんは、家計簿アプリを使用して口座の預金額等を把握しておくことについて、どう思われますか?

以上、たくさんの質問を申し訳ありません。調べれば調べるだけ疑問や不安が生じておりまして、、、よろしくお願いします。



回答:資産状況、世帯年収の高さを想像するに、海外赴任中はストレスない方法を選ぶべき

当サイトへのご質問、ありがとうございます。ちょうど管理人の友人が海外赴任になりそうな時期があり、銀行口座や証券口座について調べた事があります。国内在住の人とは環境が全く違いますので、お勧めするポイントがかなり変わってきます。そのあたりも加味して、回答致します。


項目6の回答:海外在住者が使える、ストレスを感じない銀行を選ぶのが良い


まず、国内の振り込み手数料を考慮するならば、SBJ銀行や住信SBIネット銀行の利用で十分です。ただ、SU様は国外に在住される特別なパターンですので、国外に滞在していても銀行口座を保有し続けることができるか、念のために確認しておいた方が良いと思います。

また、その場合に、何か問題が生じやすい点があるのかどうかを確認した上で、その中で金利の高い銀行を使えば良いと考えます。

海外赴任中は慣れない生活でとてもストレスを感じるはずです。特に質問者様は、問い合わせのお便りを拝読した感じでは、人一倍、不安感がお強い人のようにも思えますので、有利な金利を優先するよりも、海外滞在中に心理的に安心できるかどうかの基準で銀行を選ぶだ方が良いでしょう。

数年間、引き出す予定のないお金があるならば、それは可能な限り、定期預金に預け入れておいて良いと思います。定期預金は、受取る利息を犠牲にすれば途中で解約することもできますので、「万が一の事があれば中途解約すれば良いかな」程度の軽い気持ちでいれば良いかと思います。

なお、もしもこれが日本在住と言う事であれば、「何を血迷った事を言っているのですか?」という事で、みずほ銀行に1000万円も普通預金に置いておくなどということは言語道断になります。

仮に質問者様が東京在住ならば、当サイト管理人と同時にハナ信用組合にでも預けて頂いて、2年で0.4%という金利を受け取っていただくのがベストに近いと思います。比較にならないほどの圧倒的な差異がありますので、下記をご確認ください。


●2年間での受け取り利息(カッコ内は税引後の金額)
預入金額 みずほ銀行の普通預金 ハナ信用組合の定期預金
金利:0.001% 金利:0.4%
500万円 100円(79円) 40000円(31873円)
800万円 160円(127円) 64000円(50998円)
1000万円 200円(159円) 80000円(63747円)


生活費のような流動性のある資金は、ゆうちょ銀行の100万円があれば十分でしょう。楽天銀行のマネーブリッジの預金に入れれば、普通預金の金利も0.1%となり、圧倒的にメリット大になります。



項目7への回答:海外在住中は、ストレスない方法を選んだ方が良い


こちらの回答も、質問者様の性格を考慮して回答させて頂きます。結論を言いますと、財団から海外の口座に直接送金して貰った方が良いと考えます。なぜなら、それがストレスのない一番楽ちんな方法だからです。

もちろん、FX口座を経由して指定口座に資金を送金することもできるかと思います。ただ、何かあるたびに不安が増大してストレスになる可能性が高いです。

海外在住の際に、特別な方法で資金を移動させる事を考えるのではなく、余計な事をしなくてもきちんと手元にお金が送られてくる方が、総合的に見てメリットは大きいと思います。

今後海外での暮らしに慣れて、特段のストレスなど感じないなと判断してから、FX口座を利用しての資金移動などの方法にチャレンジするくらいで良いでしょう。資産も十分お持ちですし、無理をせず、まずは海外でしっかり働き、家庭を安定させる事に集中するので十分だと思います。

海外送金でストレスを作らない



項目8の回答:不安を解消することを優先、無理して資産運用に手を出す必要はなし


「資産を増やしたいという気持ちはありますが、資産運用に関しては全くの素人」との事で、これはまさに、金融機関のカモになりやすい人の典型です。特に、貯金や収入がある人が金融機関に相談した場合には、かなり確実に、高コストでぼったくりの商品を提示される可能性が高いです。

(外貨建て終身保険なども高コストぼったくり商品の典型例ですし・苦笑、今後は海外生活に慣れて、すっかり落ち着いてから、投資の勉強をされると良いと思います。)

産運用は自己責任の世界ですので、ご自身で勉強する時間や意気込みが無いのであれば、無難過ぎますが、金利の高い定期預金に預け入れておくだけでも良いと思います。

資産運用は、しっかり勉強した人にとっては極めて簡単でもあるのですが、そうでない人にとっては真逆の世界ですので、無理しないほうが良いでしょう。将来、投資に関しても興味を感じましたら、再度ご質問ください。

ちなみに、基本的に海外在住者は日本の証券会社で株式投資などの資産運用ができない決まりになっています。海外に在住中は、資産運用の勉強の時間にあてるだけで十分だと考えます。

家計アプリについては、個人情報の漏洩が心配であれば、パソコンにインストールする形の家計簿ソフトを使えば良いと思います。世帯収入も多いと思いますので、無理をせずに、不安を解消することを優先しても良いかなと感じます。

当サイト管理人はネット上のそのようなサービスについては全く不安は感じないタイプなので、人一倍、ガッツリと利用しますが、別にそれが良いとか正しいという訳ではありません。「不安だなあ」と思ったら、使わなくても何ら不便はありませんので、安心してくださいね。



資産運用や定期預金の事よりも、家計が破綻するリスクの方がはるかに重大


さて今回、追加で質問者さまのご主人の状況をお聞きして、振り込み手数料や、銀行の定期預金を気にする前に、家計のスリム化をご検討した方が良いのかなと感じました。以下、質問者様の家計全体の数字を出してみました。

【奥様の状況】

・安全資金(普通預金・定期預金):1800万円
・住宅ローン:月9万円(残30年ローン)
・ジブラルタ生命で外資の終身保険:月5万円(残1年)


【旦那様の状況】

・安全資金(預金):1500万円
・住宅ローン:月12万円 (残30年ローン)
・ジブラルタ生命で外資の終身保険:月8万円(残1年)


【家計全体】

・安全資金(普通預金・定期預金):3300万円
・住宅ローン:月21万円(残30年ローン)
・ジブラルタ生命で外資の終身保険:月13万円(残1年)



家計が破綻するリスク


正直、住宅ローンを月に20万円以上も出している家計があるのは、初めて見ました。(知人で一人、そのような人はおりますが、その人は月収200万~300万の人です)

ご夫婦の年収が相当高いのだと思いますが、ご夫婦ともにいきなり亡くなってしまうリスクのような、ほぼ考えなくても良いくらい極めて低いリスクのために、やはり有り得ないくらい高額な月に13万円のボッタクリ商品の代表格のような外貨建て終身保険に加入するよりも、どちらかが働けなくなって(病気などで)、収入が大幅に減少して、住宅ローンを返済できなくなるリスクの方がはるかに高いのではないかと思います。

返済が滞って、夫婦の預貯金3300万円を一括で返済に充てたとしても住宅ローンは返しきれないほど多額だと思いますから、このご夫婦が家計的に「詰む」事があるとしたら、とにかく住宅ローンが起点になる可能性が大です。そして、意外とそのリスクは低くないと、私は思います。

家計の節約の3大問題は、住宅、保険、自動車にあり、この部分の固定費をいかに削減するかで勝敗は決します。そこに最初にメスを入れ、きちんと対処出来て初めて、振込手数料などの些末な問題が意味を成してきます。

幸いな事に外貨建て終身保険は残り1年と言う事なので、それはそのままにして、残り30年もの支払いがある住宅ローンに関して、何とかする事が先決ではないでしょうか?

具体的には、とにかく金利の安い銀行に借り換える事で、数百万は返済額を圧縮できます。海外赴任中は当然ながら賃貸に出して、少しでも他人にローンを支払ってもらう事を考えましょう。

場合によっては、外貨建て終身保険の1本を解除して換金して、ローンの繰り上げ返済に回す事を考えても良いのではないかと思います。

あとは、世帯年収が高いがゆえに持ち込まれる、(外貨建て終身保険のような)変な金融商品に引っかからない事を最優先に考えて、資産運用の勉強というよりは家計管理全体の勉強を開始するのが良いのではないでしょうか。



追記・ご質問者さまから、お返事のお便りをいただきました(^^♪


 適格に診断、アドバイスいただき、ありがとうございます。

外資保険に関してはまさにご指摘の通りで、結婚したときに、そこまで親しくなかった高校の同級生が突然訪ねてきて、人生や家族について語りだす、といった感じで勧められました。手つかずの貯金の使い道を考えていなかった事もあり、夫婦で保険を購入しました。

しかしその後も出産などのイベントで別の保険を勧められ、その人とは連絡を絶つようにしましたが、次の担当者からも同じような勧誘が来て、保険のセールスレベルを認識させられました。

「お金は使う分以上に働けばなんとかなる」ような甘い考えで仕事の勉強ばかりしていましたが、これからはちゃんと家計管理の勉強もしていきたいと思います。帰国したらまたご相談させていただくこともあるかと存じますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。