生命保険料控除を使いきるだけの目的で保険に加入する是非

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生命保険料控除を利用するために外貨建て生命保険に加入するという事の意味


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頂いたご質問(2018年7月、ごまさま、20代・女性)

こんにちは。社会人3年目となり、会社に来る生保レディの方から勧められ、節税のために個人年金を始めて保険料控除を受けたいと思っています(月1万円程度の掛け金で考えています)。

加入の前にその会社以外の保険についても知るべきと思い、ネットでの情報収集や保険市場という保険代理店に行ってみたりして、住友生命の年金保険かマニュライフ生命の外貨建て年金保険を勧められました。

生命保険料控除の活用


しかし、円建ての保険に関しては利率がとても低いまま長期間お金が拘束されてしまうこと、外貨建ての保険は為替リスクと積立や受け取りの際の手数料などが自分に不利に働くのではないかと思っています。

保険市場の方はマニュライフの外貨建て年金保険をすごく推しており、手数料などが引かれたとしてもそれを補うくらい利率がいい、10年間支払いしたらその後は好きなタイミングで停止・再開できる、円安のタイミングで解約してお金を受け取れるとおっしゃっていましたが、マニュライフに関しては以前銀行でも勧められたため、販売手数料の高い銀行側の喜ぶ保険なんだろうなあと漠然とした悪いイメージを持っているためにしり込みしています。

いろいろな情報が一気にインプットされて混乱している面もあるのですが、そもそも税制メリットのために個人年金を契約すること自体がいいのか悪いのかもわからなくなってきました。

お金に関して誰に相談すればいいのかもわからず、途方に暮れている状況です。どうかアドバイスをお願いいたします。



回答:はるかに税のメリットがあるiDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)を使い倒そう

ごま様、当サイトへの質問ありがとうございます。社会人3年目ながら、節税の事を考えるほどですので、かなりお金に関する興味関心、知識もありそうだと感じます。管理人が入社3年目の頃は、節税のなどを考える事もなく日々を過ごしていましたので、若いごま様の将来がとても楽しみですね。

さて今回は、生命保険会社の推奨する外貨建て商品、そして保険商品を使った節税に関して、管理人の考えを書かせて頂きます。

まず管理人であれば、コストが大変に高すぎる生命保険会社の金融サービスは利用しません。生命保険料控除などとは比較にならないくらいの控除枠があってその分しっかり節税できるiDeCo(個人型確定拠出年金)、若しくは会社の企業型確定拠出年金に最大限の積立をします。

もしもお金に余裕があれば、利益が出た場合の売却益が無税になる、つみたてNISA口座の活用を検討します。おそらくですが、確定拠出年金とNISAに毎月積立するくらいで、金額的に限界だろうと思います。

参考iDeCo(イデコ)確定拠出年金で、超絶にメリット大のインデックス投資
参考つみたてNISAで、超絶にメリット大のインデックス投資


これら非課税・節税の仕組みをフル活用し、なおかつ資金的に余裕があれば、最後に「しょうがないから使っておくか」程度の商品が外貨建て生命保険です。



保険屋が推奨する外貨建て保険商品をおススメしない理由


管理人は、保険代理店や銀行の推奨する生命保険会社の、資産運用がセットになった金融商品をおススメしていません。各社の外貨建て生命保険には、以下のような特徴があるからです。

保有時のコストがとても高い
異様に高額な購入手数料を支払う(ロングドリームGOLDやドリームロードは7%の手数料)
ネット証券で低コストで購入できる投資信託と同様の資産運用で、誰でもできる


そして、以下のページで、外貨建て保険を見てきた管理人の素直な感想を掲載しています。そもそも、このような「金融庁が大いに問題視している金融商品」などを、敢えて使おうという行動の意味が分かりません。

外貨建の終身保険・サニーガーデンEXの評価記事
外貨建て終身保険・ニッセイロングドリームGOLDの評価記事
ドリームロードなる外貨建て終身保険の評価
学資保険を希望するのに米ドル建て終身保険を平然と勧めてくる保険屋について
外貨建て保険は良くないと聞いて、解約のタイミングに悩んでいます


「保険市場の方はマニュライフの外貨建て年金保険をすごく推しており」とありますが、売り手側が非常に儲かるから猛烈に推奨するのです。

彼らも商売ですから、手数料を多額に取れる商品を推奨したがります。生保レディーなど、ボッタクリに近い商品を売れば売るほど自分の給料が跳ね上がるのですから、親切な顔をしてしょうもない商品を売りたがるに決まっています。罪作りな人たちです・・・。

保険代理店から特に説明があった以下の3点についても、管理人の感想を買いてみます。


手数料などが引かれたとしてもそれを補うくらい利率がいい


外貨建て商品の場合は、為替のリスクを加味すると、その利率が本当に保証されるのかとても怪しいものです。仮に同じリスクを取るならば、投資信託を使って自分で保有する方にメリットがあると考えています。

・・・というか、外貨建て保険なども、出したお金は彼らが金融市場で株や債券に投資をしている訳で、こんなものは自分で普通に出来ます。そして自分で投資をしたほうが、10年単位でははるかに大きな金額に増える可能性が大ですから、生命保険の利率など阿保らしくなります。

生命保険の「利率」など、保険会社がさんざん運用したり手数料を取って儲けた後の「残りカス」みたいなものですから、そんなものに有難みを感じるのは、よほどリスクを取れない不安神経症的な人に限ると思います。


10年間支払いしたらその後は好きなタイミングで停止・再開できる


生命保険料控除を使うと言っても、所得税でたったの4万円しか控除ができないような節税を第一に考えるのは、どう考えてもイマイチです。そんな「節税」をして最低10年間も資金拘束を受けるとしたら、節税メリットと資金拘束のデメリットの釣り合いが取れていないと感じます。

お金に詳しい人ほど利用している確定拠出年金であれば、掛け金全額が所得控除になります。掛け金上限は人によって変わりますが、仮に以下のように2.3万円が上限の人の場合、27.6万円も所得控除の対象になる訳で、額が比べ物になりません。

個人型確定拠出年金の控除


その代わりに、資金の引き出しが60歳以上になるまで出来ないというデメリットは引き受けなくてはなりませんが、所得控除、利益は全額非課税、取り崩しも税制優遇などの他のメリットが大きすぎるので、非常に良く釣り合いが取れています。

資金拘束がどうしても嫌だという人は、NISAやつみたてNISAを使えば非課税で資産を運用できて、いつでも解約が可能ですから、それを選択すれば良いでしょう。

が、若い人が10年後にどうしても商品を解約しなくてはならないという事は無いと思います。財産形成を保険や投資だけにして、貯金ゼロなどという人はいないと思います。生命保険の人が言っている事は、「間違いではないけれども意味のある事でもない」という事になります。


円安のタイミングで解約してお金を受け取れる


こんなものは、自分で外貨建て資産に投資をしている場合も、全く同じです。自分で投資をする場合は、円安のタイミングと株高のタイミングで解約(売却)をすると、利益を多く取れます。

しかし、為替の動向はプロでも推測不可能なくらい難しいものであり、いつ訪れるか分からない円安タイミングをずっと待つことになり、こういうのはメリットでもなんでもありません。

もしも円安タイミングなどが来なくて、円高ばかりの局面が到来したら、どうするつもりなのでしょうか。円安タイミングなるものを気にするのであれば、円高にしかならない将来も同等に考えないと、アンバランスですね。

たまたまやってきた円安の際に大慌てで円転すると言うだけの話しであり、「間違った事を言っている訳ではないけれども、特に意味のある事を言っている訳ではない」となります。


ただし生命保険会社の商品すべてに、問題があるとは思っていません。たとえば、明治安田の「じぶんの積立」は良い商品だと思っています。ただ、生命保険会社の、特に外貨建て商品には良い印象が無い(いや、悪い印象しかない)のが正直なところです。



iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA口座を優先した方が良い


「税制メリットのために個人年金を契約すること自体がいいのか悪いのかもわからない」のコメントに、管理人は注目しました。

魅力的な低コストの個人年金があれば良いですが、税制メリットが小さいにもかかわらず、コストが割高で、資金を長期間固定されるイマイチの金融商品を選ぶくらいならば、一度、冷静になった方が良いと考えます。

管理人ならば、以下の優先度で可能な限り資金を振り分けます。

優先度1:会社に企業型確定拠出年金があれば、最大まで使う ⇒ 非課税で再投資&節税
優先度2:個人型確定拠出年金が使えるなら、最大まで使う ⇒ 非課税での再投資&節税
優先度3:余裕があれば、NISA口座orつみたてNISA口座を使う ⇒ 非課税で再投資する


これらのお得な制度をフル活用して、さらに資金的な余裕があれば個人年金を考えても良いでしょう。当サイト管理人も、国が用意してくれている制度を最大限使用して、それでも余っている生命保険料控除を最後に使う事にしました。

加入したのは、マニュライフ生命の「こだわり個人年金」です。武蔵野銀行の担当者から勧められて、中身を見て「完全にボッタクリ商品だ」と判断しましたが、私は不動産投資をやっており、銀行から融資をしてもらう必要があるため、ボッタクリで金融機関側が一方的に「美味しい思い」をするのを分かっていて、付き合いのために月額最低金額の1万円を積み立てしています。

要は、生命保険料控除など、本来は使わなくても何ら不都合は無いのです。普通に掛け捨ての生命保険を最低金額で契約して、その分で生命保険料控除を使うくらいで十分です。

控除枠が余って、それを埋めるために生命保険を増やすなどは、一体何の目的で生命保険というリスクヘッジの商品を利用するのか、もはや自分で分からなくなっているという話しです。ヘッジしたいリスクも無く、投資や貯蓄の目標も無く、控除だけは活用するというのは全く無意味です。

それとともに、生命保険の営業の人間は、お金に関しては非常に偏った事ばかりを一方的に言うだけですから、十分に気をつけたいものですね。

なお今後、iDeCoやNISAの活用を検討する場合、商品選びや考え方などに悩んだ場合、またご質問ください。ここでは話しが長くなりすぎますから、省略いたします。