日本生命の外貨建て終身保険・「ロングドリームGOLD3」のふやすタイプ

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日本生命の「ロングドリームGOLD3」ふやすタイプの特徴やデメリットなどを解説

日本生命のロングドリームGOLD3は、外貨建の終身保険に加えて、高金利の外貨で積極的に運用して、将来に受け取るお金を増やす仕組みが特徴です。保険の機能に資産運用がセットになった金融商品となります。 基本的には、買ってはいけない商品と言えるでしょう。

日本生命の「ロングドリームGOLD3」


契約時に、積極的に資金を「ふやす」タイプと、配当金のような形で「うけとるタイプ」の2コースから選択します。本ページでは、将来のお金を複利で「ふやす」タイプに注目して、ロングドリームGOLD3の詳細を評価して参ります。



「ロングドリームGOLD3」ふやすタイプの特徴・メリット

ロングドリームGOLD3のふやすタイプは、米ドルと豪ドルのいずれかの通貨での運用を選択します。契約時に支払う一時保険料をそのまま契約した通貨で運用して、積立金としてお金を増やそうとするのが最大の特徴です。

一般的に、保険を含めた金融商品を購入・契約する際には、何らかの手数料が必要となる事がほとんどなので、その初期費用が不要なのは一定の評価に値します。

なお、一時払保険料(積立金)の運用時に適用される利回りは、積立利率とよばれています。この積立利率は、契約時に10年間固定されますので、現地通貨建て限定ですが、長期で確実に増えます。


日本生命の「ロングドリームGOLD3」の「ふやすタイプ」


また、円換算の目標金額に到達した時点で円建の終身保険に自動で移行する、「のこす」コースが用意されているのは安心感があります。円建て終身保険に自動移行後に「つかう」コースに変更し、年金として分配金のように受け取ることもできる仕組みも用意されています。

日本生命の「ロングドリームGOLD3」の死亡保険金


死亡保険金は、運用通貨建てで一時払保険料以上が保証されます。これは少し微妙な状況で、為替の状況等で受け取るお金が日本円での一時払保険料を下回る可能性があるので、注意が必要です。

ロングドリームGOLD3を早期解約した場合、支払った一時払保険料を下回る可能性がある

次に、ロングドリームGOLD3の注意点です。保険のような商品全般に言える事ですが、早期に保険契約を解約した場合、解約払戻金が一時払保険料より少なくなる可能性があります。要は、確実に元本割れをするケースもありますので注意して下さい。

日本生命の「ロングドリームGOLD3」の解約控除率


解約した場合は上記のように、契約年数毎に、決まった解約控除率が適用されます。具体的な解約払戻金の計算は、以下をご覧ください。具体的に計算してみましょう。




計算を簡単にするために、以下の条件の「解約払戻金額=積立金額―解約控除額」で計算する事にします。  

・(1-市場金利調整率)は無視
・ 解約払戻金額の計算式は、現地通貨建て
・ 積立利率:1.97%


日本生命の「ロングドリームGOLD3」の元本割れの期間を計算


計算結果によると、契約から2年未満で解約した場合には、現地通貨建てでの一時払保険料より少ない解約払戻金となります。あまりに早期に解約した場合は、現地通貨建てで確実に損をする(為替リスクは無視しています)商品です。

というか、元本割れの期間がわずか2年だけというのは、決して悪く無い商品のような気もします。

運用利回りが高そうに見えるが、外貨建ての国債を直接保有する方針で良さそうに見える

ところで、当サイトでは保険機能に外貨建ての運用がセットになった保険商品を推奨しないスタンスを取り続けています。その理由は、保険会社に支払うコストが高すぎて、私たちの利益の大きく減らす要因となっているからです。ロングドリームGOLD3も、同様の理由で、運用の面では推奨できません。

このロングドリームGOLD3の運用利回りは、積立金(一時払保険料)に適用される積立利率となります。例えば、2019年7月1日~15日までに米ドル建ての契約をした人は、積立利率1.97%が10年間保証されます。

日本生命の「ロングドリームGOLD3」の積立利率(米ドル及び豪ドル)


ただ、この10年間のパフォーマンスとなる積立利率は、保険会社にコストとして支払う保険契約関係費率が控除された値になっています。コストの保険契約関係費率分だけ、運用で得られる利益が減少しているのです。

●積立利率 = 指標金利の所定の期間における平均値 + 所定の率 - 保険契約関係費率


定期預金の金利に比べたら、10年間で1.97%の利回り保証は極めて魅力的に映ります。しかし、外貨建てで為替のリスクを取るのであれば、シンプルに現地建ての国債を直接保有する方針でも良さそうにも感じます。例えば、SBI証券で買付できる約10年物の米国国債であれば、利回り2.875%を実現しています。

米国の国債


この10年物の米国債とロングドリームGOLD3を比較してみましょう。300万円の契約で、ロングドリームGOLD3の積立利率が1.97%、米国国債10年物の利回りが2.875%で、10年間経過した場合で計算しています。

日本生命の「ロングドリームGOLD3」と米国債の利回りの比較


注目すべきポイントは、2つあります。 1つ目として、運用益は米国国債の方が多くなります。仮に10年間運用をし続けた場合、10年後のロングドリームGOLD3の積立金が33761ドルなのに対して、米国国債10年物であれば、35764ドルになるのです。利回りが約1%違うので、10年後の利益の差は、2003ドルです。為替が変わらず108円の場合、約21万円となる利益の差は、極めて大きいです。

2つ目のポイントとして、死亡保険金にも注目です。ロングドリームGOLD3の死亡保険金は、その時点での積立金額となります。同様に、国債を途中で売却した場合、金利が変わらない前提であれば、米国国債で受け取れる金額が大きくなります。

これらのシミュレーション結果を見た感じでは、純粋に運用益を少しでも追及したいのであれば、保険でなくて、直接国債を保有したり、投資信託などの金融商品を保有するべきだと思います。

参考60代・1000万円・銀行が勧めてきた資産運用はどうなのか?
(ロングドリームGOLD3と銀行のファンドラップなどとの比較をしています)


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