変額保険のユニットリンクなる商品についての評価解説

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保険と資産運用を抱き合わせたアクサ生命の「ユニット・リンク」に気をつけろ

日本では、将来の不安からなのか、過剰に保険に入る人が本当に多いです。お金や健康、或いは残された家族に対する不安を煽られたら、誰もが心配になるはずです。アクサ生命では、これらの不安を全て解決する商品として、ユニット・リンクとよばれる変額保険を販売しています。

アクサ生命の「ユニット・リンク」


このページでは、ユニット・リンクについて当サイト管理人の視点でチェックして、それが一般の人が買うに値する商品なのか、評価解説しています。簡単ではありますが、どうぞ参考にして下さい。



死亡保障を準備しながら資産形成ができる変額保険「ユニット・リンク」

ユニット・リンクは、積立金額、払戻金額、満期保険金額などが変動(増減)する仕組みの変額保険です。死亡保障を準備しながら、資産形成ができる点がセールスポイントです。

変額保険「ユニット・リンク」


契約可能な年齢は0歳から70歳までです。死亡・高度障害時に最低保証される基本保険金額は、最低200万円(最低月払保険料5000円)から最高7億円となります。

保険期間・保険料払込期間は、50歳/55歳/60歳/65歳/70歳/75歳/80歳満了、または、10年/15年/20年/25年/30年満了から選択ができます。では、ユニット・リンクのメリットやデメリット、リスクについて順次解説します。



ユニット・リンクのメリット


ユニット・リンクの明確なメリットは、以下の2点です。これらのメリットは、保険という商品のほとんどは同様ですから、特別に目立ったことではありません。死亡時に確実に最低限の保障がされる点は良いと思います。そのための保険なので、当たり前なのですが。

メリット1: 保険期間満了までの万が一(死亡・高度障害)の場合の支払いは、契約時の基本保険金額が 最低保証される。
メリット2: 満期保険金を一時金や、年金で受け取るか、または、家族などのための終身保険に変更できる。



ユニット・リンクの、メリットにもデメリットにもなる特徴


次に、ユニット・リンクのメリットにもデメリットになるうる特徴です。これは、保険に付与されている資産運用(投資)の部分である「特別勘定」に関してです。

1.保険期間満了時には、運用実績に応じた満期保険金が受け取れる。しかし、特別勘定の運用実績次第になるので、払込保険料の累計額を下回る事もあれば、上回る事もあります。資産運用の機能がセットになっている訳ですから、リスクとも言えます。

2.運用先の特別勘定資産は、複数の投資先を自分で選んで構成しなければならない。 この商品を契約する人は、ほとんど投資の知識がないはずです。それなのに、運用先を自分で選ぶ必要があります。自由度が高いとも言えますが、難易度が高いですね。  

変額保険「ユニット・リンク」の特別勘定のポートフォリオ



ユニット・リンクのリスクやデメリット


明確なリスクやデメリットについては、以下の2点が挙げられます。

1.投資リスクがあり、上記の満期保険金に最低保証が存在しない。(運用する為)
2.早期に解約・減額した場合は、払い戻し金が少なくなる。ゼロの場合もある。



こちらは、以下の契約例の資産が参考になります。10年以内の早期に解約した場合は、かなりのお金が戻りません。早期の解約は、損する覚悟が必要です。

変額保険「ユニット・リンク」が元本割れになる例


3.運用経費が高く、経費のために払込保険料の全額が特別勘定で運用されない

コストが高い点は、ユニットリンクの最大の問題点です。しかも、払込保険料から必要経費を控除した残りの資産で運用されるので、資産運用の面でも極めて不利です。

このコストの問題があるので、管理人はユニットリンクでわざわざ資産運用をする必要は無いと判断しています。つまり、ユニットリンクに利用価値があるのかどうかは、かなり疑問に思っています。このコストと運用について、次項で解説します。

保険と資産運用を切り分けた方が良い理由

ユニットリンクの最大の特徴は、保険機能に資産運用の機能が付属している点です。

しかし、契約者が支払う経費が高額なうえに、運用商品の経費(運用関係費)も高い傾向にあります。これらの費用を毎月支払った後の資産で運用するので、かなりマイナスの状態からスタートする事になります。

まず、保険関係費は①~⑤の費用が必要となります。①と④は公開されていない費用であり、この点だけで遺憾でありますが、分かっている数値を抜き出しただけでも、積立金額(運用資産)に年率合計0.75%の費用がかかり、毎月の保険料から運用資産に組み入れる際には最大で0.2%の必要が必要となります。(以下の図の赤枠)

ユニットリンクで運用しなければ、これらの費用が一切不要となるので、この時点でユニットリンクを利用するメリットが見出せません。特に年率0.75%の費用が投資に与える影響は甚大です。


変額保険「ユニット・リンク」の特別勘定の保険関係費


また、運用先は投資信託になるのですが、信託報酬と呼ばれる運用関係費(以下)も高い傾向にあります。しかも、似たような投資信託は保険会社を通さずとも、自分でネット証券を使って運用成績が同等のものを購入できるので、ユニットリンクで資産運用する意義が見当たらないのです。

変額保険「ユニット・リンク」の特別勘定の運用関係費


以上のようなコストが毎年合計で1%~2%の範囲内で取られるのは、投資元本に対しての影響が非常に大きいといえます。しかも、開示されてない費用も有るという点で、不信感も出てきます。

以上より、極めて簡単な考察ではありますが、保険と資産運用を抱き合わせたアクサ生命の「ユニット・リンク」に価値があるとは思えません。保険と資産運用がセットになった保険商品は、コストが高すぎて資産運用の面で猛烈に不利になるのでおススメできません。

どうしても将来が不安で、資産を少しでも増やしたいのであれば、保険で運用するのでなくて、シンプルに投資信託を自分で購入して保有するべきでしょう。

アクサ生命の「ユニット・リンク」の特別勘定の投資信託の運用と、自分で投資信託を選んで運用することに、難易度の違いはありません。何となく「プロが運用するから安心」だと思っているのであれば、当サイトでご紹介しているような、高金利の定期預金だけで十分です。


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