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外貨預金と外貨建て保険の契約をするつもりだが・・・


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頂いたご質問(2019年2月、とらゆきさま、40代・女性)

初めまして。今回こちらの内容をいろいろ確認させていただいたのですが、こちら初心者なものでよく理解ができないことばかりです。

明日(2/2)SBI新生銀行に相談に行く予約をしています。以前の担当の人に相談してNISAの口座が開設する前に別の投資信託を契約。(現在40万ほど赤字・10年物のため途中解約すると別途手数料)

・こちらの解約相談と、外貨定期5年米ドルの契約を相談しに行きます。
・別途イオン銀行にて外貨建て保険10年満期(サニーガーデンEX)を月末くらいの段階で契約希望


質問は、これから契約しようと思う外貨は、米$が今後上がって円安になると予想してます。契約するお金は、10年・5年とも中途解約するつもりは、ありません。以前外貨保険・外貨は、やらないほうがいいと他のかたにご指摘されていたようなので迷ってます。どうかご教示お願いします。



回答:金融の知識がある人は一様に、そのような外貨建て商品は使いません

まず、為替についての大原則を知ろう


とらゆき様、当サイトへのご質問ありがとうございます。外貨預金や外貨建て保険をやるべきかどうかについては、常にシンプルな答えになります。

為替とか通貨に何か過剰な期待を持っていらっしゃるように感じますが、為替などは単なるゼロサムの世界である事を勉強されると宜しいかと思います。

外貨預金や外貨建て生命保険などの為替リスク


これを知ると、外貨預金などは全く魅力が無くなります。外貨預金のほうが儲かるのであれば、日本人は全員円定期を解約して外貨預金にすべきでしょう。でもそうはならない。どうしてかというと、いかに外貨預金の金利が良く見えても、為替レートの調整で金利分がチャラになるからです。

世の中に、フリーランチ(ただ飯)など存在しないのです。外貨預金の場合は、円から外貨、または外貨から円に転換する時に、ボッタクリレベルのコストを取られますので、円定期預金よりも不利な戦いを強いられます。

おまけに外国の銀行が倒産しても預金保険機構がが助けてははくれない、すなわち全て自腹で損失を受け止めなくてはなりません。こういった真実の姿を知っている人は、外貨預金などやりません。(やる場合があるとしても、資金のごく一部を振り向けるだけです。)

生命保険も同様です。為替で利益になると考える部分がまず間違っていますし、そもそも生命保険はリスクをヘッジするものであって蓄財の道具ではありません。

私も外貨建て生命保険に加入していますが、ビジネスが絡む銀行との付き合い上、やむを得ず入り、なおかつ月額1万円の積み立てタイプで、生命保険料控除を最大限効かせるようにしています。中身を見れば見るほど、全く魅力に欠ける商品です。

財産を増やす場合は投資をするのが王道であり、仕組みが複雑怪奇の割にほとんど儲かったとは言えないような外貨建て生命保険に魅力はありません。



為替の方向が予測できると考えるのは、初心者にありがちな勘違い


以上のような大原則がある中で、とりわけ管理人は、とらゆき様の以下のコメントが非常に気になりました。

これから契約しようと思う外貨は、米$が今後上がって円安になると予想してます。契約するお金は、10年・5年とも中途解約するつもりは、ありません。

今後、中途解約するつもりがないとお考えのようですから、10年は円安になると予想しているのでしょう。しかし、とらゆき様のような金融のド素人(失礼な表現でごめんなさい)が、一体どうやってそのような予測ができるのでしょうか? 管理人は、5年後や10年後にどちらの方向に動くのか、想像すらできません。

以下は、10年間のドル円相場です。現在は1ドル110円付近であり、過去10年でそれよりも円安だったタイミングは青枠の部分です。一方で円高だったのは赤枠の部分。これを見ただけでも、円はかなり強い通貨だと分かります。

仮に、1ドル100円をセンターだとしたら、上下に20%ずつ平気で振れるくらいの「振幅」がある訳で、為替リスクというのは皆さんが考えているよりもはるかに大きいのです。

ドル円の10年チャート


質問者様が「今後は円安になる」などとしているのは、恐らくどこかで誰かが発言した事、あるいあメディアで見聞きした事の受け売りだと思いますが、(米国が利上げするから円安になるに違いないとかお聞きになったのかもしれません)、そんな安易な情報だけで為替予測ができたら苦労しないのです。そのような誰もが知り得る情報で相場の予測ができるほど簡単な世界ではありません。

特に為替は、プロと呼ばれる金融関係者でさえも、10年後の為替の方向性を予測するなど全くもって不可能です。そのような事ができると称する人間がいたら、間違いなく詐欺師か嘘つきですから、十二分に注意してください。

やや話しはズレますが、一方で株式投資の世界は、10年後は上昇していると言ってしまっても、間違いではありません。というのも、株式は為替のゼロサムの世界と違って、企業活動によって経済成長が引き起こされた分だけ、富が増える世界です。すなわち、プラスサムです。

シンプルに、経済成長の分だけ年に数%の資産が増えてゆきます。もちろんその間にリーマンショックや大不況が到来した場合には、一時的に株価は暴落して大損するイメージがあるかもしれませんが、そういう時期をやりすごして長期投資をすれば、平均して毎年数%、増えるのです。

(逆にそういうタイミングが、絶好の投資タイミングです。皆さん、肉や魚、卵は半額になって新鮮さを失ったものを平気で買うのに、株式の世界では半値になるとそこで買わずに売るという行動に出ます。お金持ちは、一般人が怖くなって売った株を買って、更にお金持ちになるのです。)

ここが株式の「投資」と為替の「投機」の極めて大きな違いであり、これを知っている人と知らない人では、そこに三途の川が流れているが如く、世界がまるで違って見えるのです。

株式でも為替でも、多大な価格変動リスクを取るのであれば、期待リターンが常にプラスの株式にお金を置いておくのが王道かつ常道です。期待値がプラスでもマイナスでもないゼロであり、手数料分だけ確実にマイナスサムゲームになる為替は、資産形成に不適なのです。

(株式や債券の投資信託の中には、ゼロサムの為替リスクだけを排除する目的で、為替ヘッジ有りの商品さえ存在するくらいです。)

もちろん、為替の世界で大きく資産を増やす人もいます。例えば、外貨FXで短期的に大きく増やせる人はいます。この人たちは、確率の世界に精通しており、トレードルールを堅持するマインドの強さが半端なくあり、なおかつゲーマーだったりギャンブラーとしての気質も備えているなど、かなり特殊な才能のある人たちの世界です。一般人が真似しても、上手く行かない事も多いでしょう。



恐らく、投資信託も高コストのボッタクリ商品の可能性が


もう1点、以下の内容も気になりました。

以前の担当の人に相談してNISAの口座が開設する前に別の投資信託を契約。(現在40万ほど赤字・10年物のため途中解約すると別途手数料)

ファンド名が記載されていないのでよく分かりませんが、銀行の窓口で相談して買うような投資信託は、ほぼほぼボッタクリレベルの高コストの投資信託です。外貨建て生命保険と同様、コストの塊であり、一方的に金融機関が儲かるようなものばかりである事を覚えておいてください。

投資信託については、当サイトの姉妹サイトであるノーロード投資信託ガイドをご覧いただくと、ボッタクリ商品がどのようなものか理解できると思います。

(なお、投資信託の虎は2019年3月末で閉鎖して、同じく姉妹サイトのノーロード投資信託徹底ガイドに統合いたします。ノーロード投資信託徹底ガイドの方も、合わせてご覧ください。)

SBI新生銀行に相談に行かれて、そこで色々な事を言われてくるのだろうなと思います。もしも、人に高いコストの商品ばかりを笑顔で売りつけようとする銀行員の言っている事がマトモなのかどうか不安に感じた場合は、再度ご質問ください。

質問者さまにも銀行にも、何の利害関係もない当サイト管理人が、その商品の良し悪しを判断させていただいて、時にはぶった切ってみようと思います。

参考この後に再度の質問・外貨預金よりも積み立てFXのほうがメリット多大