外貨建て終身保険よりも、堅実なイデコやつみたてNISAを選択

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FPに強く勧められた外貨建て終身保険よりも、idecoとつみたてNISAで資産形成


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頂いたご質問(2019年6月、りくさま、40代・女性)

はじめまして。数年前に父より1000万の資産を譲り受けました。老後資金として手を付けるつもりはないのですが、普通預金に預けたままになっており、勿体ないので運用をした方がよいのか、以前に保険の相談をしたことがあるマネーコンサル会社のFPに相談したところ、メットライフ生命のサニーガーデンを勧められました。

参考メットライフ生命「サニーガーデンEX」の評価・見えないコストだらけ(2018年5月)
参考メットライフの一時払い終身保険(保障&運用コース)に加入したい80歳の男性(2019年5月)


一方的な態度に違和感を感じ自分で調べていたところ、こちらのサイトに辿り着きました。外貨建ての保険商品は良くない事が分かったのでやめるつもりですが、どのような運用をしたら妥当でしょうか…

こちらの記事を読んでいると、ネット銀行の高金利定期預金か仕組み預金がよいのかなと思ったのですが… この1000万は運用をしたい気持ちもありますが、元本は極力減らしたくありません…

また、老後資金として5年前にアクサ生命のユニットリンク保険に加入しておりますが、こちらも解約してidecoにした方がよいのか考えています… 色々書いてしまいましたが、中立の立場でご教示頂けたら助かります。よろしくお願い致します。



回答:idecoだけでなく、つみたてNISAを検討しても良いですね

りくさま、当サイトにご質問をお寄せくださいまして、ありがとうございました。なるほど、FPのところに相談に行って、外貨建て保険をゴリ押しされそうになったわけですね。それに折れずに態度を留保して帰宅されたところが、大変に素晴らしいと思います。

FPとかコンサルとか言っても、ほとんど全てのケースで、裏で保険屋とつながっています。ボッタクリレベルの高コストの保険商品を売れば売るほど、保険会社からバックマージンが豊富に入ってきますので、基本的には相談者の事など考えていないのが彼らの商売です。

また、外貨建て終身保険は、金融庁からも非常に問題視されている商品であり、要は国家が「ボッタクリ商品だから気をつけたほうが良い」と言っている訳ですね。(同様に、一時期銀行が売りまくっていた高コストの毎月分配型投資信託も問題視されました)

金融庁が強く言いだすと、投信や保険の販売を主に行っていたような銀行は「自粛」するのですが、今回のように零細なFPやらIFAと言われるような人たちは未だに「野放し」です。引っかからないように、自分の身は自分で守る事が大切です。

アクサ生命のユニットリンク保険についても同様の商品であり、これは一括で支払いを終えたものなのか積み立て中のものなのかは分かりませんが、積み立て中であればそれを中止、払い込み済みであれば、解約した場合とそのまま保有し続けた場合のどちらにメリットがあるのか、保険会社に相談をしてみて下さい。有利な方を選択すると良いでしょう。

保険会社の担当がけんもほろろに対応したならば、損切りする事になったとしても、勉強代を支払っと考えて、「縁切り」して解約すると良いと思います。

そして、今後20年程度は全く使用用途の無い1000万円になるのですから、idecoに資金をシフトさせるのは全く悪くありません。といいますか、これこそが「真」の運用です。

多くの人は、保険に貯蓄機能を求めています。しかし、そもそも保険とはリスクをヘッジするための金融商品であり、そこに投資の機能を付けて貯蓄もできると言うような商品設計にするのが間違いであり、著しく複雑怪奇になって良し悪しが判断できなくなって、もちろん保険会社に相当量の手数料を支払う事になるのです。

FPからの保険の勧誘


ご質問者様がidecoで月額どの程度の掛け金を拠出できるのか、ご質問では明らかになっておりませんでしたが、自営業者ではなさそうな雰囲気で、会社員だと仮定しますと、恐らく年間に14万4000円、24万円、27万6000円のいずれかだと思います。

そうなると、20年間で最大でも552万円の拠出にしか過ぎませんから、半分は資金が遊んでしまいますね。この場合は、非課税期間が20年間もある、つみたてNISAも併用されてはいかがでしょうか。

つみたてNISAの掛け金は年間40万円となり、20年間で800万円の資金を非課税で運用できます。idecoは60歳以上にならないと絶対に資金を下ろせない縛りがあるのに対し、つみたてNISAは途中で運用を中止してもOKですから、その点での安心感もありますよね。

仮に専業主婦でいらっしゃったとしてもidecoは利用でき、主婦はそもそも収入が無いので非課税メリットなども無くて、金銭的なメリットがほぼ無い一方で、もしも離婚した場合には財産分与の対象外となって、確実に自分が外に持ち出せるお金になるという隠れメリットがあります。

若干話がそれましたが、お仕事をしており節税効果が活かせて、なおかつ本当に老後まで1000万円は使う予定がない場合はidecoにて、そして万万が一にでも一定の資金は利用する可能性が無いとも言えない場合は、つみたてNISAを併用しましょう。

もちろん、「つみたてNISAだけ利用して、残りは高金利の定期預金でも十分だ」と考えれば、それであっても全く問題はありません。

idecoとつみたてNISAについては、姉妹サイトで以下の通り説明しておりますので、これらの関連記事に目を通して頂いて、不明な点があれば再度ご質問下さい。

参考iDeCo(イデコ)確定拠出年金で、超絶にメリット大のインデックス投資
参考つみたてNISAで、超絶にメリット大のインデックス投資


唯一、ここで注意点を挙げておくのは、今後20年間超の長期投資の最中には、いずれ必ず、腰が抜けるくらいの相場の大暴落に見舞われると覚悟はしておいてください。

それがいつやってきて、いつ終了するのかは、実はプロと呼ばれる人たちも読み通す事はできません。だからこそ、相場が好調な時も不調な時も、idecoやつみたてNISAを使って淡々と積み立て投資をしていく訳です。

相場の大暴落は、株式への投資で被害が甚大になりますので、調子に乗って、リターンの最大化を狙って、株式だけに投資するようなポートフォリオを組むのは、とりわけ投資の素人にとっては厳禁です。

必ず、安全資産といわれる債券へも分散投資しているバランスファンドを選ぶようにしたほうが良いでしょう。長期投資は長期間、相場に留まっている事ができれば、リターンはそれに伴って勝手に付いてくるものです。

考えるべきは、相場に留まり続けられるように、投資におけるリスクを最重点に考える事です。こういう視点が、勉強せずとも出来てしまう「貯金」と、一定のマネーリテラシーを身に付けて、ある程度の勉強を必要とする「投資」の大きな違いです。

仮に、月額4万円を2%程度(とかなり低く見積もって)の複利で積み立て投資を実行した場合、20年間では以下のような金額に達します。結果は、179万円ものリターンを期待できます。




これが年利4%だと467万円もプラスになります。この間に相場が低迷して、元本割れの期間が長く続いたとしても、低い価格で沢山の数量を買う事になりますから、後半に相場が元の価格に戻っただけでも、相当なリターンをもたらします。これが、積み立て投資の威力です。

ぜひ、国際分散投資を学んでいただいて、長期でゆったりと自然体で、結果的に年利3%とか4%で回るような資産形成を図ってみて欲しいと思いますね。